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姫様にょっき |
2005年8月25日 |
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チャウチャウの季節 |
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彼女の家は4階建てのこちらの典型的な長屋造りで、この長屋には多くの人が裏通りにひしめいて住んでいるが、テラスは大通りに面していて大変心地よい。外から見ると一見貧しそうな建物ではあるが、ひとたび鍵をあけてもらって玄関を入ればどの家も、テレビはあるし鏡面台もある、食べ物はやたらと旨く部屋は無闇に広い。とりわけこの部屋の広さと飯の旨さについては、平均的日本人では及びもつかない物質的に豊かな暮らしをしているというべきで、彼女が日本の我が家に来てまずそれとのギャップにショックを受ける点ではないかと今からとても私は心配している。
物質的豊かさに飽きてアジアを彷徨うなんて言ってる日本人がいるが、自分がじつはいちばん物質的豊かさを持ってないということに気づいてないのは幸せというべきか。もちろんカンボジアの貧困層にだけ目を向けていれば、それよりはさすがにいくら日本人といえども物質的に豊かではあるのだが。
そんな彼女の家にはペットすらいる。他から貰ってきた白い毛むくじゃらの小さな犬が3匹いて家族から可愛がられたりおちょくられたりしている。私は犬の品種には詳しくないので勝手にこれをチャウチャウ犬と呼んでいる。これは長屋の他の家とはちょっと違う点であったのだが、今回3ヶ月ぶりにこの長屋を訪れて裏路地を歩いてみて驚いた。
まわりがチャウチャウ犬だらけになっている!
ほんとに「なんじゃこりゃあ」状態で視界内にチャウチャウ犬が何匹も十何匹もたたずんでいる。それぞれ持ち主の家族がいて、可愛がったりちょっかいを出している。そんな物好きが大勢この長屋に突然変異的異常発生しているのである。これはもう、いわゆる大流行といっても過言ではない。こんな、防犯上何の役にも立たない犬に好き好んでエサをやる経済的ゆとりがあるということは、すなわち多くの人が以前よりもますます豊かになってきたのだということなのだろう。私がいつも不思議に思うのは、こんな何にも売るもののない国で、いったいみんなどこから金を得て生活しているのかということだ。
というかカンボジアという国自体がその意味で大変不思議な国でもある。どう考えても素人目にはただ単に不動産がバブってるだけとしか思えないのだが、大方の日本人が苦手とする虚のマクロ経済的には何かカンボジアには特異な魅力があったりするのだろうか。ホリエモンなら答えを知っているのだろうか。街にあふれるバイク・4WDとベンツの理由を。橋むこうに地盤沈下もものともせず建設されつつある高級マンション群のわけを。
もっとも、カンボジアではもともと食い物の物価(ほかの商品の物価に対する相対的な)は日本とは比べ物にならないほど安いので、犬の飯代などまったく苦にならないのかもしれない。これもまた、よくいわれることだがGNP・GDPでは測れない豊かさというべきだろう。
食材を大胆に活かし食を謳歌する東南アジアの飯に比べれば、日本の食事というのはいかにも貧しさを糊塗するためにごまかしを重ねた味気ないものでしかないのが認めたくない現実だ、と昨日日本料理屋でつくづく感じた。しかし私にとっての救いは、今後は彼女が日本においても食材を池袋やアメ横から仕入れつつ東南アジア風の料理を家で作ってくれるかもしれないという点である。 |
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